東京港区六本木 眼科 鴨下眼科クリニック

東京都港区六本木 鴨下眼科クリニック

 

 

レーベル病(レーベル遺伝性視神経症)

 

 

 鴨下眼科クリニック 眼科 真島行彦

慶應義塾大学医学部 講師(非常勤)

 

 

    はじめに

 レーベル病は、主として男性で、10歳代から30歳代にかけて、両眼性に急性または亜急性の視力低下で発症し、その後数か月の間に徐々に視神経乳頭の耳側より蒼白化(萎縮)が始まり、通常1年以内に視神経全体が萎縮にいたる視神経疾患である。多くの患者で、最終視力は0.1以下になる。視力改善例も一部ではあるが存在する。レーベル病はミトコンドリアDNA(mtDNA)の点突然変異により発症するが、喫煙・飲酒、ストレス等の環境因子や他の遺伝的要因にも影響を受ける(図1)。

 

 

 

   症状

 10歳代から30歳代にかけて(平均発症年齢:25歳)(図2)、両眼性に盲中心暗点を伴う急性または亜急性の視力低下で発症する。発症時期に左右眼で差があることも多い。対光反応は正常を示す症例も多い。患者の80%は男性であり(表3)、性差を認めるがその原因は不明である。最終的には強い中心暗点となり(図3)、多くの症例で視力は0.1以下となる(図4)。

 

 

 

 

 

 

 

 

急性期の眼底所見

 急性期の眼底所見は特徴的で、通常両眼に異常が認められ、視神経乳頭は発赤、腫張し、境界はかなり不鮮明となる(図5a)。検眼鏡的には乳頭炎と区別出来ないことも多い。乳頭上または乳頭周囲の細動脈および毛細血管は著明に拡張する。網膜血管は蛇行し、特に網膜中心動脈は拡張し、静脈との口径比は1:1となる(通常は2:3)。乳頭周囲の神経線維層の腫張、混濁が特徴的で、この部位は拡張性微細血管症の著明な部位でありも、時に乳頭上方または下方に網膜表層の出血を認める。しかしながら、必ずしも全例がこのような典型的な所見を示す訳ではなく、正常とあまり変わらない症例もあることが診断を難しくしている。その場合は、多発性硬化症による両眼性の球後視神経との鑑別も問題となる。

 

 蛍光眼底造影により、乳頭周囲の拡張性微細血管症の状態はより明瞭となり、乳頭上の細動脈は著明に拡張している。しかし、血管が拡張しているにもかかわらず、静脈後期においても蛍光色素の漏出は認められないのがレ?ベル病の特徴であり、乳頭炎との鑑別点となる(図5b)。

 

 

 

 

 

 

 レーベル病に特有な拡張性微細血管症の機序は不明である。レーベル病の発症自体は急激ではあるが、臨床的には拡張性微細血管症を有する無症状の時期はそのかなり以前より認められ、発症には10年から30年余りを要している。

 

萎縮期の眼底所見

 その後、徐々に視神経乳頭の耳側蒼白化が進行し、網膜血管の拡張も見られなくなる。通常1年以内に高度の視神経萎縮をきたす(図6a)。

(図6aを入れる)

 

 

 視神経の萎縮が進行すると視神経乳頭陥凹を来す症例も多く、陥凹所見だけを見ると、緑内障性視神経乳頭陥凹と区別できないこともある(図6b)。視神経乳頭の画像解析装置HRTによる比較では、緑内障の方がより陥凹が深い。(英文原著19) 

(図6bを入れる)

 

 

 

   検査

(1)視力検査

 

(2)視野検査

  中心暗点を示す(図3)。

 

(3)蛍光眼底造影検査(診断的意義が高い)

  蛍光色素の漏出がみられない(図5b)。漏出がみられる乳頭炎(多発性硬化症を含む)との鑑別には必須の検査。乳頭炎の場合はステロイド剤が有効である。

 

(4)画像検査

 視神経のMRI検査では、急性期ではほぼ正常所見を示し、耳側蒼白化が進行するに従いT2画像では視神経自体の輝度が高くなっていく(図7)。これらの所見から、急性期のレーベル病の病変の主体が眼内であるとはいえないが、少なくとも球後の病変を支持する所見は得られない。(英文原著12)

 レーベル病では、特に女性患者では多発性硬化症を合併したり(日本語原著9)、一部の症例では中枢神経症状を示す患者(たとえば、ミトコンドリアDNAの14459変異)が報告されているので、その場合は脳MRIを行う。

 

 

 

 

 

(5)電気生理学的検査

 レーベル病発病初期においてはパターン刺激視覚誘発電位(VEP)では、振幅の低下と潜時の遅延がみられるのに対して、フラッシュVEPでは振幅の低下はみられるが、潜時の遅延はみられない(図8)。一方、多発性硬化症による視神経炎ではフラッシュVEPの潜時は延長する。(英文原著11)

 

 

 

 

(6)心電図検査

 WPW (Wolff-Parkinson-White) 症候群を合併することが報告されている。(英文原著9)

 

(7)遺伝子検査(確定診断)

 レーベル病はミトコンドリア遺伝子の点突然変異により発症し、現在30種類程報告されている(表1-1、1-2)。その内、3460変異(3460番目の塩基の変異)、11778変異、および14484変異の3つの変異で、レーベル病患者の90%近くを占める。特に日本人においては11778変異を持つ患者が90%近くを占める(英文原著3, 13)。従って、これら3つの変異または11778変異を持っているか否かを調べることで、確定診断が可能である。これらの検査は現在検査依頼会社が提供している(表2)。

 家族歴が明らかなレーベル病患者は30-50%に過ぎず(表3)、弧発症例が多いので、臨床的に確定診断までに至らない事も多いと思われる。しかし、家族歴がなくとも本症に特異的なミトコンドリアDNAの変異が確認されればレーベル病と診断できる(DNA診断、遺伝子診断)。(日本語原著10)特に小児では訴えが明瞭でないため、心因性視力障害と診断されていた症例もあった。(日本語原著3)

 また、ミトコンドリアDNAの変異は男性患者の子孫には伝わらない。

 

 

 

 

 

 

   レーベル病の発症とヘテロプラスミー

(1)ヘテロプラスミーとは

 1つの細胞内に数千個のミトコンドリアDNA(mtDNA)分子をもつため(核DNAは1分子)、DNAに変異が生じた場合、すべてのmtDNAが同時に変異を生じるわけではない。最初は変異mtDNAと正常mtDNAとが混在した状態となり、病態は潜伏する。これをヘテロプラスミーといい、正常mtDNAか変異mtDNAのどちらか一方だけの状態をホモプラスミーという。

 細胞分裂に伴って変異型mtDNAは子孫の細胞に分配されるが、一般的には母親から子への数千個のmtDNAの分配はランダムなので、同世代、各世代の個人においてヘテロプラスミーの程度は異なる。しかし、ある系統ではヘテロプラスミーの状態は数世代を経るにつれて均一な一種類の正常型mtDNAまたは変異型mtDNAの状態になる(ホモプラスミー)(図9)。ヒトでは数世代で徐々に均一化するものと考えられている。また、受精卵から細胞分裂に伴って変異型mtDNAも各組織に分配されるが、各組織によりヘテロプラスミーの程度も異なるとされている。

 

 

 

 

(2)ヘテロプラスミーの家系

 レーベル病では11778変異に関して、変異ミトコンドリアDNA(mtDNA)は世代を経過する毎に増加し、数世代で変異mtDNAのみのホモプラスミーの状態になることが報告されている。11778変異に関してはヘテロプラスミーを示す症例は約15%にしか見られない。臨床的には、変異mtDNAの割合が増えると病気が発症することになる。レーベル病では、末梢血での11778変異が60?75%以下では発症しにくいとされている。しかし、これらは末梢血でヘテロプラスミーをみているので、必ずしも視神経でのヘテロプラスミーではない。(英文原著8, 20)

 レーベル病の家系内で、必ずしも全員が発症するわけではないが、その理由の1つにmtDNA変異ではヘテロプラスミーの問題がある。たとえば、同じ家系内でも変異mtDNAの割合に差があれば発症しない人もいる。

 図10にヘテロプラスミーを示した1家系を示す。男性では、変異mtDNAの割合が約80%以下のメンバー(77%、58%、74%、5%)は発症していない。(英文原著14)

 

 

 

 

(3)発症に関する考案(個人的な考え方)

 レーベル病はミトコンドリアDNA(mtDNA)の点突然変異により発症するが、発症には10年から30年余りを要していることを考えると、mtDNAの変異により慢性的なエネルギ?効率の低下が背景にあり、加齢と共に更に低下するため発症するのかもしれない。更に3460変異や14484変異では大量の喫煙、アルコール摂取等環境因子が発症に関与することが知られている。

 図11は仮説であるが、視神経、網膜がエネルギーの需要が多いことで最初に障害されるという。また、mtDNA変異をもっていても発症しない者もいるが、同じ家系内でも個人によりエネルギー代謝の効率が異なり、発症までには至らない可能性もあると思われる。ヘテロプラスミーの場合は、エネルギー代謝の効率が比較的良好なことが考えられる。

 

 

 

 

   レーベル病の視力予後と遺伝子変異型

 表3に日本人レーベル病68家系83人の遺伝子変異別の臨床所見を示す。(英文原著13)3つの変異について最も異なるのは視機能の予後である。11778変異では87%が0.1以下であるが、3460変異と14484変異では約50%が0.1以下である。0.3以上の視力回復例は11778変異では7%にすぎないが、3460変異では38%、14484変異(英文原著10)では50%であった。このように変異の種類により、視機能の予後が異なることが分かる。この結果は欧米人のレーベル病患者とほぼ同じである。いづれの変異型でも若年発症ほど(特に10歳代前半)視力が回復する率は高いと報告されている。

 

 

 

 

   特徴的な視力回復過程

 視力が回復する患者は、「中心の見えない所が部分的に透けて向こう側が見える」という言い方をする。図12は、右眼の視力が1.0まで回復した14歳男子のハンフリー静的視野検査(10?2プログラム)の結果である。1年半の経過で右眼の鼻側で感度の良い領域が拡大している。感度の良い領域が小さいと、ハンフリー静的視野検査30?2プログラムでは検出できないことが多い。その場合は、ごく狭い限られた部分で、感度が回復していることを示している。このような中心暗点はfenestrated central scotomaと呼ばれている。すなわち、(絶対)中心暗点の中の一部に感度の良い領域が出現することにより視力が回復する状態である。(英文原著17, 18)

 視力が良いか悪いかは、中心部全体の感度の改善よりも、ごく中心部の感度の良い領域の存在の有無に因ることがわかる。また、患者によっては「中心を外すと見える部分がある」という言い方をするので、ある程度の視力回復はこの部分で見ている(偏心固視)。

 視力回復の機序は不明であるが、急性期に障害され萎縮した神経線維が機能を回復するとは考えられない。現在の仮説として、急性期に障害された神経線維は、時間の経過とともに多くはアポトーシスにより細胞死に至るが、一部の線維はアポトーシスに至らず休止状態だったものが機能を回復する、という考えである。ここに治療のヒントがあると考えられる。

 

 

 

 

   最低視力と最終視力との関連

 レーベル病は発症後1年以内に視神経萎縮を来たし、中心暗点のため多くの患者では視力は0.1以下になる。しかしながら、発症1年後より0.2以上に視力回復する症例もあり、今回は発症後最低視力と最終視力との関連を検討した。

 対象は慶應義塾大学病院眼科を1年以上通院したレーベル病患者の内、ミトコンドリアDNAの11778変異を持つ56名(56眼)である。男性51名、女性5名で、発症時年齢は9歳から65歳で、平均23.6歳であった全員発症後の最低視力は0.1未満であった。治療は、平成2年以降は、ビタミン剤(ビタミンB2、C)、イデベノンまたはCoQ10、レスキュラ点眼を行った。

 最低視力が0.07-0.08の症例は11眼中8眼(73%)が0.2以上に回復していた(図13)。レーベル病発症後最低視力がその後の視力予後に関連することが考えられた。

 

 

 

 

   レーベル病発症には環境因子等二次的に影響を受ける(図1)

(1)環境因子

 レーベル病の発症には過度の飲酒や喫煙の影響を受けやすいことが報告されている。特に、14484変異の患者は影響を受けやすい(英文原著10)。その他、過度のストレス、頭部外傷(日本語原著7)、不眠後に発症した報告がされている。

 

(2)他の遺伝子多型の影響

 男性患者が80%であることから、X染色体上の遺伝子の影響を受けることが推定されているが、明らかにはなっていない。

 発症年齢は図2にみられるように、3歳から65歳と幅広い。しかしながら、アポトーシス遺伝子であるTP53遺伝子多型や酸化ストレス関連遺伝子であるEPHX1遺伝子多型と発症年齢を検討した結果、TP53遺伝子多型Arg/Arg(よりアポトーシスを促進)とEPHX1遺伝子多型His/His(より酸化ストレスに弱い)を同時に持つ11778変異のレーベル病患者の発症年齢(17.5 ± 9.1歳)は、同時に持たない11778変異患者の発症年齢(29.8 ± 15.1歳)より有意に早かった(P=0.01)。図14は11778変異を持つレーベル病の発症年齢分布であるが、白バーは全患者の分布を示す。一方、黒バーはTP53遺伝子多型Arg/Arg(よりアポトーシスを促進)とEPHX1遺伝子多型His/His(より酸化ストレスに弱い)を同時に持つ患者の発症年齢分布である。明らかに10歳代の発症患者が多い。(英文原著21)

 

 

 

 

 

   治療

(1)ステロイド剤は無効である。

(2)レーベル病は有効な治療法は無いが、今までに自然経過で視力が回復する症例が多く報告されている。その意味では、環境因子としての過度の喫煙、過度の飲酒を避ける。また、糖尿病や高血圧を合併した場合は、コントロールを十分に良くすることが大事である。

(3)では、自然回復を手助けするような積極的な治療法は無いのであろうか?

 

 慶應義塾大学病院では以前、電子伝達系の賦活薬であるCoQ誘導体のイデンベノンをレーベル病患者に投与したところ、短期間に視力が改善した10歳男児を報告した(図15)。(英文原著2)現在イデベノンは製造中止になっているので、代わりにサプリメントとして販売されているコエンザイムQ10を薦めている。更に、ビタミンB2がミトコンドリア電子伝達系の複合体IIの補酵素であるに注目し、またビタミンC(アスコルビン酸)がチトクロームCを活性化することや抗酸化作用に注目し、これらのビタミン剤投与を薦めている。

 

 

 

 

 

 イデベノン、ビタミンB2とビタミンC、および視神経乳頭部血流改善を考えイソプロピルウノプロストン点眼薬を用いて急性期のレーベル病患者を治療した群(14例28眼)と未治療症例群(14例28眼)において視力回復を比較検討した。その結果は、0.3以上に視力が回復した眼数は、未治療群は7眼、治療群9眼であり両群には有意差はなかった。しかし、0.3までに回復するまでの期間は未治療群は34.4±13.7か月、治療群は17.6±9.0か月と治療群の方が有意に短かかった(p=0.01)。(表4)

 

 

 

 

 これらの薬物治療により視力改善が促進されたのか、単に自然回復したかは明らかではないが、自然回復するのを助長した可能性は否定できないと考えている。(英文原著16)

 

 

 図16から図24は、慶應義塾大学病院眼科を通院した患者の内、これまでに視力改善した患者の経過を示す。視力回復までの期間は、発症後約1年から数年である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    真島行彦のレーベル病に関する文献

 

(1)英語原著

1)  Hiida Y, Mashima Y, Oguchi Y, Uemura Y, Kudoh J, Sakai K, Shimizu N. Mitochondrial DNA analysis of Leber's hereditary optic neuropathy. Jpn J Ophthalmol 35:102-106,1991.

 2) Mashima Y, Hiida Y, Oguchi Y. Remission of Leber's hereditary optic neuropathy with idebenone. Lancet 340:368-369,1992.

 3) Mashima Y, Hiida Y, Oguchi Y, Kudoh J, Shimizu N. High frequency of mutations at position 11778 in mitochondrial ND4 gene in Japanese families with Leber's hereditary optic neuropathy. Hum Genet 92:101-102, 1993.

 4) Mashima Y, Hiida Y, Oguchi Y, Kudoh J, Shimizu N. DNA diagnosis of Leber's hereditary optic neuropathy using dried blood specimens.  Am J Ophthalmol 116:773-774,1993.

 5) Mashima Y, Hiida Y, Oguchi Y. Lack of differences among mitochondrial DNA in family members with Leber's hereditary optic neuropathy and differing visual outcomes. J Neuro-Ophthalmol 15:15-19,1995.

 6) Hotta Y, Fujuki K, Hayakawa M, Nakajima A, Kanai A, Mashima Y, et al. Clinical features of Japanese Leber's hereditary optic neuropathy with 11778 mutation of mitochondrial DNA. Jpn J Ophthalmol 39:96-108, 1995.

7)  Mashima Y, Saga M, Hiida Y, Oguchi Y, Kudoh J, Shimizu N. Risk of false-positive DNA diagnosis of Leber's hereditary optic neuropathy. Am J Ophthalmol 119:245-246,1995.

8)  Mashima Y, Saga M, Hiida Y, Oguchi Y, Wakakura M, Kudoh J, Shimizu N. Quantitative determination of heteroplasmy in Leber's hereditary optic neuropathy by single-strand conformation polymorphism. Invest Ophthalmol Vis Sci 36:1714-1720, 1995.

9)  Mashima Y, Kigasawa K, Hasegawa H, Tani M, Oguchi Y. High incidence of pre-excitation syndrome in Japanese families with Leber's hereditary optic neuropathy. Clinical Genetics 50:535-537, 1996.

10)  Yamada K, Mashima Y, Kigasawa K, Miyashita K, Wakakura M, Oguchi Y. High incidence of visual recovery among four Japanese patients with Leber's hereditary optic neuropathy with the 14484 mutation.  J Neuro-ophthalmol 17:103-017,1997.

11)  Mashima Y, Imamura Y, Oguchi Y. Dissociation of damage to spatial and luminance channels in early Leber's hereditary optic neuropathy manifested by visual evoked potential. Eye 11(5):707-712, 1997.

 12) Mashima Y, Oshitari K, Imamura Y, Momoshima S, Shiga H, Oguchi Y. Orbital high resolution magnetic resonance imaging with fast spin echo in the acute stage of Leber's hereditary optic neuropathy. J Neurology Neurosurg Psychi 64:124-127,1998.

 13) Mashima Y, Yamada K, Wakakura M, Kigasawa K, Kudoh J, Shimizu N, Oguchi Y. Spectrum of pathologic mitochondrial DNA mutation and clinical features in Japanese families with Leber's hereditary optic neuropathy. Curr Eye Res 16:403-408, 1998.

 14) Tanaka A, Kiyosawa M, Mashima Y, Tokoro T. A family with Leber's hereditary optic neuropathy with mitochondrial DNA heteroplasmy related to disease expression. J Neuro-Ophthalmol 18:81-83, 1998.

 15) Yamada K, Oguchi Y, Hotta Y, Nakamura M, Isashiki Y, Mashima Y. Multicenter study on the frequency of three primary mutations of mitochondrial DNA in Japanese pedigrees with Leber's hereditary optic neuropathy: comparison with American and British counterparts. Neuro-ophthalmol 22:187-193, 1999.

 16) Mashima Y, Kigawasa K, Wakakura M, Oguchi Y. Do idebenone and vitamin therapy shorten the time to achieve visual recovery in Leber hereditary optic neuropathy ? J Neuro-ophthalmol 20:166-170, 2000.

 17) Mashima Y, Sato EA, Oguchi Y. Detection of fenestrated central scotoma by scanning laser ophthalmoscope microperimetry in a patient with Leber's hereditary optic neuropathy after visual recovery. Neuro-ophthalmol 25:115-121, 2001.

 18) Mashima Y, Sato EA, Ohde H, Oguchi Y. Macular nerve fibers temporal to fovea may have a greater potential to recover function in patients with Leber's hereditary optic neuropathy. Jpn J Ophthalmol 46:660-667, 2002.

 19) Mashima Y, Kimura I, Yamamoto Y, Ohde H, Ohtake Y, Tanino T, Tomita G, Oguchi Y. Optic disc excavation in an atrophic stage of Leber's hereditary optic neuropathy: differentiation from normal-tension glaucoma. Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology 241:75-80, 2003.

 20) Mashima Y, Nagano M, Funayama T, Zhang Q, Egashira T, Kudoh J, Shimizu N, Oguchi Y.    Rapid quantification of the heteroplasmy of mutant mitochondrial DNAs in Leber's hereditary optic neuropathy using the Invader technology. Clin Biochem 2004 Apr;37(4):268-276.

 21) Ishikawa K, Funayama T, Ohde H, Ocushi Y, Mashima Y. Polymorphic Variants of genes associated with apoptosis and oxidative stress in Leber’s hereditary optic neuropathy. Jpn J Ophthalmol 2005 Mar-Apr;49(2):121-126.

 22) Inagaki Y, Mashima Y, Fuse N, Ohtake Y, Fujumaki T, Fukuchi T; Glaucoma Gene Research Group. Mitochondrial DNA mutations with Leber's hereditary optic neuropathy in Japanese patients with open-angle glaucoma. Jpn J Ophthalmol. 2006 Mar-Apr;50(2):128-34.

 23) Sugisaka E, Ohde H, Shinoda K, Mashima Y. Woman with atypical unilateral Leber's hereditary optic neuropathy with visual improvement. Clin Experiment Ophthalmol. 2007 Dec;35(9):868-70.

 

(2)日本語原著

1) 篠田 啓、緋田芳樹、真島行彦、小口芳久:ミトコンドリアDNAのnt11778 遺伝子変異をもつレーベル視神経症16家系の臨床所見.臨床眼科  47:1727-1730,1993.

2) 山田恵子、真島行彦、緋田芳樹、小口芳久:視力改善を示した nt11778 遺伝子変異をもつレーベル視神経症の2家系. 臨床眼科 47:1739-1743,1993.

3) 中西眞美、真島行彦、緋田芳樹、鈴木参郎助、小口芳久:心因性視力障害と診断されたレーベル病の2症例. 眼科 36(7):811-814,1994.

4) 堀田喜裕、藤木 慶子、早川むつ子、中島 章、金井 淳、真島行彦、他:ミトコンドリア遺伝子の11778番塩基対変異をもつ日本人のレーベル病の臨床像.日本眼科学会雑誌 99(6):721-727,1995.

5) 緋田芳樹、真島行彦、佐賀正道、周 正喜、秋谷 忍、工藤 純、清水信義、小口芳久:ミトコンドリアDNA3460変異を有する日本人レーベル視神経症の分子生物学的解析. 日本眼科学会雑誌 99(6):728-734,1995.

6) 周 正喜、高橋 弘、吉川 元、秋谷 忍、緋田芳樹、真島行彦:3460遺伝子変異をもつレーベル視神経症の視機能回復. 臨床眼科 50(4):487-490,1996.

7) 吉野真未、真島行彦、小口芳久、藤原隆明:頭部外傷により意識消失をきたした患者に発症したレーベル視神経症の1例. 眼科 38(9):1101-1105, 1996.

8) 井尾晃子、原田公幸、加藤英夫、新明康弘、吉田和彦、真島行彦、大橋 勉:一過性に視力回復をきたしたレーベル病の1例. 眼科臨床医報 90(12):1555-1558, 1996.

9) 坂本英久、西岡木綿子、山本正洋、猪俣 猛、水島 明、真島行彦:レーベル病と多発性硬化症が合併した1例. 臨床眼科 53(2):167-171, 1999.

10)    山田恵子、真島行彦、緋田芳樹、小口芳久:慶應義塾大学病院におけるレーベル遺伝性視神経症の遺伝子診断の現状 日眼会誌 105(9):608-613, 2001.

11)    井上佐智子、大出尚郎、真島行彦、小口芳久:両耳側半盲様視野を呈したレーベル遺伝性視神経症の1例. 眼科 46(5):719-724, 2004.

 

(3)日本語総説、著書

1) 真島行彦、緋田芳樹:レーベル視神経症とミトコンドリアDNA変異(特集:分子生物学). あたらしい眼科  9:573-580,1992.

2) 真島行彦:レーベル視神経症のDNA診断. 眼科診療Q&A 第11号 pp164-165 六法出版、1992.

3) 真島行彦:レーベル病(特集:ミトコンドリア病).神経眼科 11:34-41, 1994.

4) 真島行彦:Leber病とミトコンドリアDNAの遺伝子診断. 眼科診療プラクテイス12 やさしい神経眼科 pp222-223 文光堂、東京、1994.

5) 真島行彦:Leber病は自然回復する? 眼科診療プラクテイス12 やさしい   神経眼科 pp224-225 文光堂、東京、1994.

6) 真島行彦:レーベル視神経症とミトコンドリアDNA変異の遺伝子型の解析.眼科診療Q&A 第16号 pp92-93  六法出版社、1995.

7) 真島行彦:視神経萎縮(Leber病).眼科学大系10巻A 眼の発生と遺伝 pp227-228  中山書店、東京、1995.

8) 真島行彦:家族性視神経疾患. 眼科学大系7巻 神経眼科 pp193-196 中山書店、東京、1995.

9) 真島行彦:Leber視神経症に対する薬物治療.眼科治療のコツと落し穴  Pitfalls & Knach (小暮文雄・林文彦・三宅謙作 編) pp191 中山書店、東京、1995.

10) 真島行彦:レーベル遺伝性視神経症 ー1994年から1996年の知見ー 眼科 39(9):1081-1091, 1997.

11) 真島行彦:日本人におけるレーベル遺伝性視神経症の診断と治療. 第1回国際眼科シンポジウム(日本眼科学会百周年記念事業). pp259-260, 1997.

12) 真島行彦:心因性視力障害と診断されたレーベル病の症例. 心因性視覚障害 pp198-203 中山書店、東京、1998.

13) 真島行彦:遺伝性視神経症�@:Leber 視神経症 新図説臨床眼科講座8 神経眼科 pp32-33、メジカルビュー社、東京、1999.

14) 真島行彦:レーベル病は何故視神経を障害するのでしょうか? 神経眼科 17(1):97-99, 2000.

15) 真島行彦:遺伝性視神経症 12章 視神経・視路疾患 今日の眼疾患治療方針 pp374-375、 医学書院、東京、2000.

16) 真島行彦:遺伝性視神経症の最近の進歩. NEW MOOK 眼科5 最近の神経眼科(若倉雅登、柏井 聡、吉田晃敏編集)、pp32-39、金原出版、東京、2003.

17) 真島行彦:Leber hereditary optic neuropathy(LHON) 神経眼科用語辞典(日本神経眼科学会編)pp85-86、メジカルビュー社、東京、2003.

20) 真島行彦:レーベル病は本当に治らないのですか。「神経眼科のQ & A」 あたらしい眼科 21(臨時):69-72, 2004.

21) 真島行彦:ミトコンドリア遺伝子と核遺伝子とは? 視覚と眼球運動のすべて(若倉雅登、三村 治 編集)、pp102-108 メジカルビュー社 2007.

23) 真島行彦:Leber遺伝性視神経症 今日に眼疾患治療指針 第2版 pp397 医学書院、東京 2007.

 

 

 2008年10月1日 作成

  参考

I ミトコンドリアとは

 ミトコンドリアは細胞あたり約1000個程存在し、細胞が生存する上で不可欠なエネルギーを産生する細胞内小器官である。すなわち、ミトコンドリアは酸素を消費して、酸化的リン酸化によってATPを合成し、細胞へ生体エネルギーを供給している。ミトコンドリアのエネルギー産生系は5種の酵素複合体(I-V)から構成され、内膜に存在している。ミトコンドリア内膜間にプロトン(H+)勾配を形成し(電子伝達系または呼吸鎖、複合体I-IV)、その電気化学的エネルギーを ATPの化学エネルギーに変換する(複合体V)。

 

II ミトコンドリアの遺伝学

1)ミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝子

 ヒトのmtDNAは16,569塩基対(bp)からなる環状の二本鎖DNAであり、各細胞に3000ないし6000分子含まれる。mtDNAの中には13種類のメッセンジャーRNA遺伝子、2種類のリボソームRNA遺伝子 と22種類の転移RNA遺伝qが存在する(図1)。イントロン構造はなくコンパクトに構成されている。

 ミトコンドリア酵素複合体はいずれも複数のサブユニットからなり、核DNAとmtDNAの二重支配を受けているが、これらのうち13種類がmtDNAの遺伝子産物である。これらはすべて単独では機能をもたず、核DNAの遺伝子産物のサブユニットと複合体を形成して機能をもつ。たとえば、複合体Iは25種類のサブユニットからなり、そのうち7種類がmtDNAによりコードされている(ND1, ND2, ND3, ND4L, ND4, ND5, ND6)。複合体IIIは1種類(Cyt b)、複合体IVは3種類(CO I , CO II , CO III )、複合体Vは2種類(ATPase6, ATPase8)で、全部で13種類である。